鬱マンガに気をつけろ! | いま、蒼い小道で。

鬱マンガに気をつけろ!

以前、滝本竜彦氏の小説、「NHKにようこそ!」
のレビューを書いたような気がするけど、
今回はこれの漫画版について。

主人公の両親も積極的に物語に絡んでくるなど、
小説にはないオリジナル要素もたくさんあり、
絵もうまいので一気に最新刊まで買い、通して読んだ。

感想。これは危険だ

最初は「岬ちゃんかわえー」とか思いながら、読書を楽しんでいた。
しかし徐々にその感覚も薄れ、
笑えていた主人公の言動・行動も普通に笑えなくなってくる。
そして気づく。
「あれ? これって俺の未来の話じゃないよね」
正直、主人公がダメ人間になっていく因子を
多分に自分も持ち合わせているから、100%否定できないのだ。

そして全てを読み終えたとき、心には暗雲がかかり、鬱な空気で淀んでいる。
もし友達に「このマンガ面白い?」と訊かれれば
「面白いよ」と答えられるし、別に読むことを止めはしない。
でもこれ鬱に耐性がない人が読んだら、
高い確率でプチ鬱になることうけあい・・・かもしれない。
実際俺はなった。
しかし過去に超鬱を体験し、
乗り切った経験があるので半日で元に戻れたけど。

読み手の心に強い影響を与えることができるというのは、
それが良作である証拠だし(ポジティブでもネガティブな意味でも)
実際そうだろうと思う。
だからこれは良作です。
でも人によってはとても危険です。

用法・用量を守り、自分の体質をよく知った上で読んでください。